「自力」と「他力」の融合
それは、あまりにも調子を崩されて、まだまだセルフケアをしようという意欲が湧かないレベルの方だったり、逆に公私共に忙しすぎて身体も頭の中もパッツンパッツンになっておられる方(←こういう方は何かひとつ荷物を降ろす、「他力」の要素を入れた方が好転しやすい)を除いて、やはりコツコツご自身でも調えておられる方の方が、ただ施術を受けているだけの方よりもよい経過を辿られることが多いからです。
得意でないものが大切だったりします
お伝えする内容自体は、当院の施術同様、その時のクライアントさんの状態に従いますので、毎回違うかと思います。
クライアントさんもそれぞれに、何かしらセルフケアの方法というのはお持ちですので、当院でもできるだけクライアントさんが慣れ親しまれている方法に沿ったものを提案させていただいていますが、傾向として、やはり自分があまり得意でないところ、目が行き届きにくいところのバランスは崩れやすいようです。
たとえば、ストレッチ(筋骨格調整)をマメになさる方は、整体施術などでは筋肉や骨格の調整よりも、内臓や経絡の調整の優先順位が高いことが多く、逆に当院でもおススメすることの多い爪もみ(自律神経免疫療法と言われています)をよくなさる方は、骨格調整の優先順位が高くなることが多いです。
ストレス症状や自律神経失調症における「自力(=セルフケア)」
ストレス症状(心身症)や自律神経失調症自体は、いわゆるやっつける類の病(体内に侵入したウイルスに対するような)ではありませんので、セルフケアにおきましても心身へトータルで目付けをして調えることが大切ですが、身体のセルフケアが得意な方はどうしても身体へのアプローチに偏りがちで、心の方はおざなりになり精神的にきつく感じられたり、逆に心理ワークなど心のセルフケアを好まれる方は、身体の方がおざなりになりがちという傾向があるかと思います。
その辺りは試行錯誤や経験、ご自身の心や身体の声に耳を傾ける謙虚さなどが必要なところかと思いますが(もちろん楽な作業ではありませんが)、そういった経験を経ながらも自力で調えられる力をつけ、自信を取り戻されるクライアントさんも多くいらっしゃいます。
たとえ自分に自信がなく、自分を信じたことがないという人でも、内なる治癒力にたいする信仰心を育むことからはじめてほしい。
長い経験をつうじて、自分を信じれば信じるほど健康になるチャンスがふえるということを、わたしは学んできたつもりだ。
『いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力』
ロバート・C・フルフォード著 上野圭一訳 翔泳社刊より