8.PSA高値
Yさん 80歳代 男性主訴:PSA高値
PSAとは前立腺がんの腫瘍マーカーのことであるが、前立腺がんの進行は非常にゆっくりとしており、潜在的ながんを持ったまま寿命を全うされるケースも多く、よほど痛みを訴えたり体重が減少しない限り、病院では積極的に組織を取って検査をしたり治療をしたりすることは少なく、温存することが多いようである。
Yさんは元々当院に別件でメンテナンスにいらしていただいていたクライアントさんであったが、毎年受けている人間ドックでPSAの数値が初めて基準値(4.0ng/ml)を超えてしまい、翌月の再検査でもさらに数値が上がってしまわれた。
(PSAの基準値は4.0ng/ml↓)
2017.3 2.746
2018.3 3.970
2019.3 5.182(←初の基準値越え)
2019.4 6.591(再検査)
再検査の際にMRIを撮ったところ、まだ2mmくらいで5mmにもなっていないため温存することになったとのこと。
とは言え、いくら今すぐ生命にかかわるものではないと言っても、がんの腫瘍マーカーが基準値を超えているというのはやはり気になり、このタイミングで当院にご相談にみえられた。
施術プラン
- 膀胱(前立腺)の内臓整体
- 蝶形骨の頭蓋仙骨療法
- 身体全体の素地を調える施術
を週に一回行う
膀胱(前立腺)の内臓整体
前立腺周辺の気血の流れを調える目的で。内臓整体と言ってもクライアントさんにあおむけに寝ていただき、仙骨の下と恥骨の上に手を当てサンドイッチする形にするため、局所(会陰部)に直接触るわけではない。
蝶形骨の頭蓋仙骨療法
前立腺に影響を与える男性ホルモンの中枢(視床下部)の調整の目的で。蝶形骨はこめかみから触ることのできる頭蓋骨。
身体全体の素地を調える施術
前立腺の局所的な対症療法ばかりでなく、身体全体のバランスを調える目的で。内容は毎回身体の傾聴(検査)を行った上で決定する。
次回の検査は3か月後であったが、人間ドックを受けた病院とは別のかかりつけ医の方でも1か月後に検査を受けられるとのことで、それまで上記の内容を週に1回施術を行い抑止を図ることとした。
施術以外では、前立腺の肥大を抑制すると言われているココナッツオイルの摂取も、比較的手に入れやすく副作用のリスクも考えにくいことから、使えるものは何でも…ということで、味が嫌いでなければとおすすめした。
1か月後、3か月後
(PSAの基準値は4.0ng/ml↓)
2019.5 5.130
2019.7 5.115
まだまだ基準値の4.0を超えているが、何とか上昇傾向は抑止できている模様。
Yさんとしては、一応の数値の低下にも安心されるが、夜間に4、5回トイレに起きていたのが平均2回位になったのもありがたいとのこと。
次回の検査はさらに3か月後とのことで、2019.5から2019.7の2か月でほぼ数値が変わらなかったこともあり、施術内容はそのままに、施術のペースを2週間に一回に落とすことにし、ココナッツオイルも無理なく取り入れられているとのことで、引き続き摂取していただくことにした。
さらに3か月後
2019.10 2.446(←基準値4.0ng/ml以下に戻る)
無事基準値以下に戻り、Yさんも喜ばれる。
次回の検査は3か月後でMRIも撮るとのことで、施術内容はそのままに、施術のペースを2、3週間に一回くらいのペースで引き続き受けていただくこととする。
さらにさらに3か月後
2020.1 2.140(MRIで影が薄まっていることが判明)
影が薄まっていることに関して、Yさんご本人はもちろん喜んでおられたが、担当医も
「私はこんなケースはじめてです」
というくらいあまりないケースだったそうです。
この段階で前立腺に対する対症療法を終了することとする。
以降は2〜3週間に一度くらいのペースでメンテナンスに来てくださっているが、2021.7現在まで基準値を超えていないと報告を受けています。
PSAの値、MRIの経過
(PSAの基準値は4.0ng/ml↓)
2017.3 2.746
2018.3 3.970
2019.3 5.182(初の基準値越え)
2019.4 6.591(再検査)
→MRIを撮るも5ミリにもなっていないため温存することに
→当院にご相談、施術開始(1回/週)
2019.5 5.130
2019.7 5.115
→ある程度数値的に落ち着いたため、施術ペースを落とす(1回/2週)
2019.10 2.446(基準値内に戻る)
2020.1 2.140
→MRIで影が薄まっていることが判明
→前立腺に対する対症療法を終了
2021.7 以降ここまで異常なし